宮崎県地域日本語教育体制整備事業について
宮崎県は、令和元年7月に文化庁の「地域日本語教育の総合的な体制づくり推進事業」の採択を受け、(公財)宮崎県国際交流協会が事業を受託し、実施しています。
宮崎県でも年々増加している外国人住民は、日本人と同じく、宮崎県民として地域で生活を営み、社会を支える存在です。「国籍に関係なく、一人一人が宮崎の暮らしやすさと安心感を実感でき、多様な文化や言語等を理解し、尊重し合える社会」が実現できるよう、本事業において地域日本語教育の充実を図っていきます。
令和4年度の取組みは以下のとおりです。
1.日本語教育体制の構築
①総括コーディネーターの配置
事業事務局である(公財)宮崎県国際交流協会に総括コーディネーターを配置し、県内4地域それぞれを担当する地域日本語教育コーディネーターと連携をとりながら事業全体の調整を行う。
②地域日本語教育コーディネーターの配置
宮崎県を4つの地域に分け(県北・県央・県西・県南)、それぞれを担当する地域日本語教育コーディネーターを配置し、各市町村と連携しながら各地域の実情や外国人住民の日本語学習ニーズ等を把握し、様々な関係者を繋ぎながら地域に応じた日本語教育プログラムの企画や調整を行う。
③会議・意見交換会の開催
県内の関係者と情報共有や日本語教育を推進するための会議を行う。
総合調整会議
県内関係者 (有識者、地域日本語教育コーディネーター、市町村担当者、県担当者、宮崎県国際交流協会) 間で日本語教育の施策等について共有及び協議を行う。
開催日 | 出席者数 | 内容 |
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6月2日(木) (オンライン) | 38名 | ①令和4年度事業計画及び方向性について ②地域日本語教育コーディネーターからの報告 ③川南町の事例紹介 ④市町村からの報告 ⑤意見交換 |
3月7日(火) (オンライン) | 35名 | ①令和4年度事業実施状況について ②地域日本語教育コーディネーターの活動報告について ③令和5年度事業概要について ④意見交換 |
地域別意見交換会
県内4地域(県北・県央・県南・県西)で関係者( 地域日本語教育コーディネーター、市町村担当者、外国人雇用企業等、県担当者、宮崎県国際交流協会 )と地域のおける日本語教育に関する意見交換を行う。(オンライン)
開催日 | 出席者数 | 内容 |
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県北:7月20日(水) 県央:7月19日(火) 県南:8月3日(水) 県西:7月13日(水) | 県北:9名 県央:11名 県南:10名 県西:15名 | ①各地域での事業概要 ②「ひなたにほんごナビ」について ③意見交換 |
県北:12月6日(火) 県央:12月2日(金) 県南:12月1日(木) 県西:12月2日(金) | 県北:5名 県央:8名 県南:6名 県西:7名 | ①「ひなたにほんごナビ」に関する意見交換 ②宮崎県日本語教育体制整備事業に関する意見交換 |
県北:1月11日(水) 県央:1月17日(火) 県南:1月11日(水) 県西:1月12日 (木) | 県北:9名 県央:16名 県南:9名 県西:12名 | ①各地域での事業実績 ②市町村の事業報告 ③企業等における外国人労働者の受け入れ及び支援の状況について |
事業推進意見交換会
地域別意見交換会で把握した地域の状況を踏まえ、事業の課題等について関係者( 有識者、地域日本語教育コーディネーター、県担当者、宮崎県国際交流協会 )と協議を行う。
開催日 | 出席者数 | 内容 |
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9月29日(木) (オンライン) | 14名 | 今年度実施する事業に係る課題及び対応案に対する意見交換 |
1月26日(木) (県庁5号館521号室及びオンライン) | 14名 | 今年度事業における課題及び次年度事業の方向性案を踏まえた課題に対する意見交換 |
有識者会議
事業推進意見交換会で整理された課題の解決に向けた提言について有識者間で協議を行う。
開催日 | 出席者数 | 内容 |
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9月29日(木) (オンライン) | 9名 | 第1回事業推進意見交換会で整理された課題に対する対応について |
2月2日(木) (オンライン) | 9名 | ①令和5年度事業における展開について ②令和6年度以降の地域日本語教育の展開について |
2.日本語教育の実施
①日本語講座の開催
宮崎県内に住む外国人が、地域で生活していくためのコミュニケーションとして基本的な日本語を習得することを目的に「日本語講座」を開催する。
※日本語教師が教科書を使用し、複数の学習者に教えるスクール形式。
※対面とオンラインで実施。
使用教科書「いっぽ にほんご さんぽ」(初級1~3)「まるごと 日本にほんのことばと文化 初中級 A2/B1」
【対面講座:宮崎市(カリーノ宮崎)】
初級1 | 初級2 | 初級3 | |
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時期 | 前期:5月10日(火)~8月4日(木) 後期:10月4日(火)~1月17日(火) | 前期:5月10日(火)~8月4日(木) 後期:10月4日(火)~1月12日(木) | 後期:10月4日(火)~1月17日(火) ※後期のみ実施 |
受講者 | 前期:3名(延べ50名) 後期:3名(延べ58名) | 前期:5名(延べ94名) 後期:6名(延べ105名) | 後期:5名(延べ61名) |
国籍 | 前期:フィリピン、ウクライナ、ネパール 後期:ウクライナ、ジャマイカ、フランス | 前期:アメリカ、カナダ、ロシア、ネパール 後期:中国、フィリピン、モロッコ、アメリカ、フランス | 中国、アメリカ、インド、カナダ |
【対面講座:宮崎大学】
初級 | 初中級 | |
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時期 | 6月1日(水)~11月30日(水) | 6月1日(水)~1月11日(水) |
受講者 | 18名(延べ204名) | 14名(延べ92名) |
国籍 | インドネシア、アフガニスタン、ミャンマー | インドネシア、アフガニスタン、ミャンマー、スリランカ、タイ、ブラジル、マレーシア、ニカラグア |
【全県向けオンライン講座】
初級1 | 初級2 | 初級3 | 初中級 | |
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時期 | 前期:5月6日(金)~8月10日(水) 後期:10月6日(木)~1月19日(木) | 前期:5月10日(火)~8月4日(木) 後期:10月7日(金)~1月20日(金) | 前期:5月9日(月)~8月8日(月) ※前期のみ実施 | 前期:6月13日(月)~10月3日(月) 後期:10月24日(月)~2月13日(月) |
受講者 | 前期:2名(延べ31名) 後期:7名(延べ67名) | 前期:3名(延べ51名) 後期:6名(延べ111名) | 前期:1名(延べ25名) | 前期:5名(延べ51名) 後期:8名(延べ88名) |
国籍 | 前期:アメリカ、バングラデシュ 後期:アルジェリア、アメリカ、アフガニスタン、スウェーデン、マレーシア | 前期:オーストラリア、エチオピア、アメリカ 後期:アメリカ、イギリス、オーストラリア、中国、ドイツ、バングラデシュ | タイ | 前期:タイ・ミャンマー 中国・アメリカ シンガポール 後期:アメリカ、エチオピア、アフガニスタン、フィリピン |
②地域日本語教室の開催
外国人住民が地域で生活をする上で必要な日本語を学習する場だけでなく、住民同士が交流を通してお互いの文化を理解し、地域の暮らしで必要な情報を交換する場、外国人住民の地域参画のきっかけとなり、一緒によりよい地域づくりを目指す場として地域日本語教室を開催する。
※県内を4地域(県北・県央・県南・県西)で実施。
にほんご教室in日向(県北地域:日向市)
にほんごサロン「きらり」in新富(県央地域:新富町)
にほんごカフェin日南(県南地域:日南市)
開催日 | 会場 | テーマ | 参加者数 | 当日の様子 |
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7月31日(日) | 創客創人センター | 日南市のおすすめの場所などの紹介 | 6名(うち学習者3名) | |
10月30日(日) | 創客創人センター | 書道体験を通した日本語の学習 | 20名(うち学習者10名) | |
11月20日(日) | 創客創人センター | 防災について | 5名(うち学習者1名) | |
12月18日(日) | 創客創人センター | お互いの国のクリスマスや正月の過ごし方について | 15名(うち学習者10名) | |
1月15日(日) | 創客創人センター | 目的地への行き方について | 19名(うち学習者15名) | |
2月26日(日) | 小村寿太郎記念館 | 飫肥の町歩きによる日本語でのコミュニケーション | 20名(うち学習者9名) |
日ほンGO教室 みまた(県西地域:三股町)
③日本語れんしゅう会の開催
宮崎県内に住む外国人に、地域で生活していくためのコミュニケーションとしての日本語を学習していただくことを目的に開催する。
※学習者と日本語学習支援者が、基本的にマンツーマンで学習者のニーズに沿った日本語学習を行う。
◇日 時:令和4年4月8日(金)~
毎週水曜日・金曜日 10:30~11:30
毎週土曜日 14:30~15:30
◇場 所:カリーノ宮崎地下1階
◇参加者:学習者 延べ443名、日本語学習支援者 延べ467名
④日本語スピーチコンテストの開催
宮崎県で生活する外国人住民に、日本語学習の成果を確認する機会を提供するとともに、スピーチを聞くすべての方に新たな視点を与え、相互理解を図ることを目的に開催する。
◇日 時:令和5年2月12日(日) 13:00~15:00
◇場 所:宮崎県庁5号館 521号室
◇発表者:11名(学生の部 5名、一般の部 6名)
3.日本語教育人材の育成
①地域日本語教育コーディネーター研修
宮崎の各地域における日本語教育を推進していくことを目的とし、それを担う「地域日本語 教育コーディネーター」の役割、および必要な知識・資質・能力への理解を深め、それらを向上させるために実施する 。
開催日 | テーマ | 講師 |
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6月21日(火) | 地域日本語教育コーディネーターの役割(行政との協働) | 菊池 哲佳氏((一社)多文化社会専門職機構 理事兼事務局長) |
8月26日(金) | 協働力の向上(地域づくり(ネットワーク化)) | 矢冨 明憲氏((公財)佐賀県国際交流協会 企画交流課長) |
12月1日(木) | 学習支援者との協働(学習支援者の活動活性化) | 萬浪 絵理氏((公財)千葉市国際交流協会 日本語教育コーディネーター) |
2月21日(火) | 地域課題に対する次年度計画立案及びプレゼン力について | ・伊藤 健一氏(国立大学法人宮崎大学 国際連携センター ) ・髙栁 香代氏(多文化designコンパス 代表) |
②日本語学習支援者養成講座
地域日本語教室・日本語れんしゅう会・日本語ボランティア紹介で活動していただく日本語学習支援者の養成とスキルアップを目的に、オンライン、県内4地域で開催する。
今年度の実施箇所
◇基 礎 講 座 :オンライン、新富町
◇スキルアップ講座:オンライン、延岡市、日南市、三股町
※オンラインは7回に分けて実施。
内容 | 基礎講座 | スキルアップ講座 |
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第1回 | 地域日本語教室って何だろう ~ココから!地域日本語教室~ | やってみた!日本語学習支援 |
第2回 | 異文化間コミュニケーション ~ふれる!異文化理解~ | 異文化理解と異文化コミュニケーション |
第3回 | 日本語教育の実際 ~生活言語としての日本語~ | 地域日本語教室に向けて |
第4回 | やさしい日本語の活用【入門】 | 実践 ~たいけん!地域日本語教室~ |
第5回 | 地域日本語教育の多様性 ~多文化共生のまちづくりを目指した教室とは~ | 振り返り |
実施地域 | 講座 | 期間 | 受講者 |
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オンライン | 基礎講座 | 6月11(土)~7月23日(土) | 26名(延べ142名) |
日南市 | スキルアップ講座 | 7月16日(土)~8月6日(土) | 3名(延べ11名) |
新富町 | 基礎講座 | 9月3日(土)~10月8日(土) | 8名(延べ38名) |
三股町 | スキルアップ講座 | 10月22日(土)~11月12日(土) | 7名(延べ34名) |
延岡市 | スキルアップ講座 | 11月26日(土)~12月17日(土) | 3名(延べ15名) |
オンライン | スキルアップ講座 | 1月7日(土)~2月25日(土) | 20名(延べ128名) |
4.その他
①日本語教育・多文化共生入門セミナー
地域における日本語教育人材候補者の掘り起こしと、本県の日本語教育について機運醸成を図るため、一般県民や市町村職員を対象としたセミナーを開催する。
一般県民向け
開催日 | テーマ | 受講者数 | 講師 |
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8月10日(水) (企業向け) | やさしい日本語研修 | 17名 | 内山 夕輝氏((公財)浜松国際交流協会) |
10月7日(金) (自治体向け) | 外国人への情報発信~わかりやすいチラシづくりとSNSでの情報発信~ | 7名 | ・戸嶋 浩子氏(ひらがなネット株式会社 代表取締役) ・清水 果苗氏(ひらがなネット株式会社) |
12月10日(土) (県民向け) | あなたにもできる!日本語サポート | 43名 | 早瀬 郁子氏(宮崎国際大学 国際教養学部 准教授) |
市町村職員向け
実施自治体 | 開催日 | テーマ | 受講者数 | 講師 |
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新富町 | 12月21日(水) | やさしい日本語研修 | 32名 | 髙栁 香代氏(多文化designコンパス 代表) |
延岡市 | 1月24日(火) | やさしい日本語研修 | 13名 | 内山 夕輝氏((公財)浜松国際交流協会 主幹) |
宮崎市 | 1月25日(水) | やさしい日本語研修 | 20名 | 内山 夕輝氏((公財)浜松国際交流協会 主幹) |
都城市 | 2月22日(水) | やさしい日本語研修 | 102名 | 髙栁 香代氏(多文化designコンパス 代表) |
③先進地視察
事務局(宮崎県国際交流協会)及びコーディネーターで日本語教育の先進地を視察し、本県における日本語教育体制づくりの参考にする。(新型コロナウイルス感染防止のためオンラインで実施)
◇日 時:令和5年1月19日(木)
◇視察先:広島県(オンラインで実施)
◇参加者:8名(各コーディネーター・有識者・県と事務局関係者)
◇視察内容:・広島県の外国人材受入・定着に向けた取組について
・広島県の多文化共生の取組について
・広島県の地域日本語教育の取組について
・意見交換